馴染みがないとMicroってなんぞや?ってなるでしょう
Nikon以外のメーカーで言うところのマクロレンズのことです
マクロとは顕微鏡で見える世界のことで顕微鏡も作っているNikonはごちゃ混ぜにならないようにマイクロと表記しています
実直なメーカーというか頑固なメーカーだなって思うかもしれませんね
不変のFマウントと呼ばれているわけです
Zマウント出たので不変ではなくなりましたけどね
レンズの紹介
1981年から昨年の2021年まで販売されていたレンズでマニュアルフォーカスのレンズです
それ以前に発売していたMICRO-NIKKOR 55mm f3.5より半段分明るいですがレンズ構成も違い、f3.5はクセノタールでf2.8はダブルガウスです
レンズ構成が違えば写りも変わり、ハーフマクロは共通ですがピント面と背景のボケのバランスが大きく改善され、一般撮影もできるレンズに進化しました
マクロレンズなのだから小さいものや文書を撮るのが得意なのはもちろんですが景色までしっかり写せます
開放f値が2.8なので暗いと思われがちですが解放からキレキレにシャープに写るのでf1.4やf1.8のレンズを安定する画質になるまで絞り込んで使うのと大差ありません
逆に解放からガンガン使えるので絞り羽根7枚から出る角ついたボケを写さずに自然に表現できます
初めて単焦点レンズを買うならば私はこのレンズを薦めます
電子接点もなく測光も使えないマニュアルフォーカスなので一枚撮って露出を確認してまた撮る、といった形で露出の勉強にもなります
操作性
マニュアルフォーカスのレンズなのでピント操作は粘りのある程良い感覚です
中古で購入する際は固着していないものがおすすめです
決して自分で分解して直そうとは思わない方がいいです
ダブルヘリコイドになっているので無限遠の設定が難しいです
絞りも外観でわかるようにニコンのクラシカルなものなので言うことなしです
写り
RAW現像しています
蕊にピントを合わせて花はぼかすようなこともできます
マクロになると被写界深度が浅くなりますね
薔薇の花ですがピントが合っているところもキレキレに写ります
バッキバキまでいかないところが花の撮影でも問題ないんじゃないでしょうか
あとはボケもストンと何もなくなるわけではなくダブルガウスらしくぬらぬら感も残りま
ニコンのレンズは背景でぼけてもそこに何があるのかわかるように作られている感じがしますね
遠景でもちゃんと写ります
見たまま写る良いレンズです
木漏れ日です
逆光耐性はほぼないんですが上手くやるとこんな感じに撮れます
失敗するとコントラストが落ちてRAW現像でも色が詰まった感じになるので注意です
2021年まで製造していたとは言え、光学設計は古いものなのでオールドレンズだと思った方がいいです
太陽を入れ込んだ写真はほとんどダメなので切れる場合は切った方がいいです
ぱっと見ると気づかないかもしれませんがパープルフリンジは結構出ます
明暗差があると盛大に出ます
絞るか補正するかレンズを替えるかです
逆光が撮りたい人はこのレンズは選ばない方が賢明です
残念なことに日陰の植物で明暗差があっても出るんです
パープルフリンジを出ないようにするにはどうしたらいいのか?って考えることも写真活動には大事ですよね
実は私の所有するAI MICRO-NIKKOR 55MM F/2.8Sは絞り不良で解放でしか撮れないものでした
分解して修理したら絞りは動くんですが無限遠が出ずに50m先くらいまでしかピントが合いません
a6000でマウントアダプターをつけるとかろうじて無限遠出る状態なのでベストなコンディションではありません
それでもこれくらい使えるレンズってことで分解前のベストショットで終わりです